S.A.C._2045を観よう
コロナで部屋に缶詰。なんとなく鬱々としてくる気分。インドア派でも、なんだかんだ自宅待機は退屈。名作映画もだいたい見飽きたし……。
じゃあ新作を見ればいい!
そこでS.A.C.2045ですよ!
攻殻機動隊 S.A.C._2045
ええ……でも攻殻機動隊ってなんかわけわからんやつでしょ?
シリーズも長いらしいし……。
大丈夫! 追ってなくてもわかります。「相棒」は途中から見たってなんとなく楽しめるでしょう。
S.A.C.も同じです。
こんだけ暇なら、その気になれば前作までを履修するのも余裕だし。
そもそもSACって何?
「スタンドアローン・コンプレックス」の略です。
独立した個人が、結果的に集団のように振る舞う現象。第一作で主人公・草薙素子が名付けました。
わかんなくていいです。が、今作もSAC要素が登場します。
どんなアニメなの?
世界観はSF、作風はサスペンス+アクションといった感じです。
個別の事件の裏で大きな陰謀が……というのは本当に刑事ものっぽいです。
攻殻機動隊という作品群の特長は
といえます。
例えば原作漫画は、記憶の外部化やネットの偏在化による超ユビキタスな社会を描いていますが、「合成映像越しに会議に出席しつつ自分はオフィスで足裏に水虫薬を塗っている政府高官」みたいなもっと身近で予言的な一コマも出てきます。
押井守版では「身体のほとんどを機械化した人間にとって人間性とは何か」というやたらと哲学的なテーマを扱っています。
SACシリーズは原作の遺伝子を受け継ぎつつも、押井版の内省的・哲学的雰囲気は鳴りを潜めています。そして、SACならではの特長は社会風刺や時事ネタがふんだんに使われることといえるでしょう。
9課のみなさま
御託はおいておいて、キャラクターがかっこいいんです。
草薙素子(少佐)
世界一の義体使いで超ウィザード級ハッカー。格闘も電子戦もお手の物。
めちゃ強い。絶対に強い。
かっこいいです。
バトー
白目みたいなのは義眼。元特殊部隊のマッチョマンだが電子戦も強い。思考戦車のタチコマをかわいがる。9課の活動を「自分のスキルを活かして給料をもらってる」と断言するすごい大人。かっこいいです。
荒巻課長
サルっぽい顔のおじいさん。
でも、頭がいい、決断力がある、正義感もあると三拍子そろったすごい上司で、人脈もすごいかっこいい人です。
タチコマ
思考戦車(四脚でAI搭載の戦車)。
兵器でありながら、子供のように純粋で人間臭いAIを搭載しています。
この説明はどこも可愛くありませんが、かわいいです。
S.A.C._2045の世界
なんとS.A.C._2045の世界では何らかの理由で金融インフラの崩壊が起こり、世界同時デフォルト(!)が実行されて既存の社会と既得権益という既得権益が破壊されています。
焼野原で発展を続けるために、社会では社会を揺るがされない程度の軍事的小競り合い、持続可能な戦争(サスティナブル・ウォー)が継続しています。
世紀末もいいところですね。
9課はそれらの裏で糸を引いているとされる「ポストヒューマン」、既存の社会の転倒を狙う者達の存在を知って……
という筋書きですが、とにかく観ないとわかりませんね。
アニメならなんでも好きという方はもちろん、全然興味の無い方も、女の子や異世界系(ハイファンタジー)に飽きた方にもおすすめです。
先述のとおり、攻殻機動隊は我々とは違った社会を描いていますが、実際の所その本質たるテーマはいつも身近で、予言的でありながら戯言と一笑に付せないリアリティがあります。
では早速、NetflixでS.A.C.一期→2nd GIG→SSSと見たあと、2045も見てみてください!!
ちなみに2nd GIGのオープニングはアニメ史上最もカッコいいかもしれないので、それだけでも是非。