無選別

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そちの得物を見せてみよ ①始動編

※閲覧注意!

  • 男性器を指す単語を連呼しています。
  • 倫理・道徳的に問題のある行動を扱います。広い心で閲覧してください。

 

 

挫かれた楽観

入院を通達されたとき、当然深刻に考えていたが、内心、「しめた」と思っていたことが一つだけあった。誰も邪魔しない、文句も言われない空間で、いわゆる「積ん読」を消化しようという目論見が脳裏をよぎったのだ。治療してもらえるなら症状もそのうち収まってくるだろう。かくして自宅から何冊も本を持ち込んでいた訳だが、髄液を抜いて起こる頭痛によってその目論見は脆くも崩れ去る。頭を上にすると頭痛が酷くなるので、読書は到底無理であった。私は書籍は紙媒体にこだわっているが、今回ばかりは紙の短所を痛感させられることとなった。光源を上にしなければ読めない、即ち横になったままではどうしても読めないのだ。電子書籍は光源の位置どころか有無さえ問わない。やるな、バックライト。生粋の紙党としては悔しいが、「読む姿勢を選ばない」という点では白旗を上げざるを得ない。

 

運命の通知

そういう訳で、横になりながらできる娯楽といえばスマホくらい。横向きになり、Twitterを見て、LINEを見て、Twitterを……。「寂しい現代人」そのものの挙動だが、認めざるを得ない。実際「寂しい現代人」だし、過去最高レベルに手持ち無沙汰だ。他には寝るくらいしかやることがないが、都合よく眠くもならない(ステロイドの副作用で眠りにくい)。意味もなくアプリを切り替えていたら通知が。友達からのLINEだ。

 

「チャットアプリでやりもく男を煽って遊んでたら勃起ちんこの写真送られてきたのでアンインストールした」

 

へーえ。チャットアプリでヤリ目男を煽るとちんこの写真が送られてくるのか。何やってんだ。

だが、局部の写真を送りつけるとは、同じ男として信じがたい行為だ。なぜ局部を送りつけるのか?見せることが快感? 性癖は人それぞれだし、見せたい人もいるかもしれないが。まあ、局部を送りつけても、他の個人情報と組み合わせられなければ特に悪用はされないだろう。しかし、すすんで自分の局部を見せたくなるものなのか?

相手の反応が楽しみなのだろうか。でも、大抵の女性はちんこ位見たことあるのではないだろうか。パートナーの分身に限らず、職業によっては全くの他人の持ち物をダース単位、グロス単位で見たこともあるだろう(ex:医療、介護)。送りつければ初々しい反応が貰えると思っていたとしたらとんでもないバカなのでは。いや思ってなくてもバカだろうが。反応を楽しんでいる線は薄そうだ。じゃあいきなり送りつける男は何を考えているのか? 知的好奇心、いや、恥的好奇心をそそる。

好奇心といえば、他人の(しかも素人の)勃起したちんこってあんま見たことないし、見る機会ってないよなぁ。いやいや、何をしみじみと考えているのか。

だが突然の入院による、疲労、不安、自棄、止まない頭痛などが私を狂気に駆り立てていた。

 

「じゃあ俺ちんぽ集めるわ」

 

ちんぽあつめ 準備編

早速チャットアプリをインストールする。モロに規約違反の行為をしていたのでアプリの名前は伏せる。

今後はチャットアプリの話が中心なるので、システム周りをしっかり説明しておこう。

このアプリはインストール時に手に入るポイントを消費してメッセージを投稿する。インストール時に手に入るのは100ポイント、メッセージ1つ送信するのに5ポイント、画像の投稿には20ポイント必要だ。ポイントが切れたら課金ないし広告の閲覧で補充することができる。

規約では出会い、他SNSへの誘導、および卑猥な画像の投稿は禁止されている。運営としては居心地の良いチャットアプリを目指しているとのことだ。実際はケダモノと変態がいくらか混ざっているわけだが。

アプリ登録時に性別が登録できる。性別を明かさないことも可能だ。メッセージを投稿する際に、閲覧可能な相手を女性のみ、または男女問わずに設定できる。男性のみの選択肢はない。

さて、ハンドルネームを設定しよう。可愛らしくてとっつきやすいのがいいな。という訳で「みよ」に決定。柔らかな響きでなかなか気に入った。さて、早速メッセージを投稿だ。かかって来い、露出狂!

 

釣り堀へ

でもメッセージってどんなの送ればいいんだろう? 先ほどちんぽを送りつけられた女性(以降先生と呼ぼう)に聞いてみると、すぐスクショを送ってくれた。

「したいなー」

という、簡潔なメッセージに「なにをしたいの〜」と返事がついている。この間1分以内。

また、

「さみしい、人肌恋しい」

と誘いをかけてみれば、「俺もめっちゃ恋しい」、「さむいと余計に……」と返事をすると「ねー。布団でいちゃいちゃしたいな。」実にスムーズにそちらに話を持っていっている。

なるほど。入れ食いどころではなさそうだ。釣り堀のコンディションは良好、胸が踊る。ただならぬ精神状態であるのは先述の通りだが、ここでわくわくし始めるのは今思うと狂っている。私は何なんだ。

さあ、私も釣り糸を垂らしてみるとしよう。

先生直伝の仕掛けは、釣り針に餌を付けただけのような潔さ。

 

「添い寝したい」

 

キャスト。仕掛けがシンプルなほど手応えが分かりやすいのも魚釣りと一緒な筈。これに食いつく奴は間違いなく下心がある。

早速通知が。バイブレーションがアタリのようで心地よい。さあ、お魚とのファイトだ。

 

そちの得物を見せてみよ ②(奮闘編) - 無選別

へ続く。